倫敦遠征記 -Part2-

7. 10月9日 オープニングと掟破りの○○の巻

  19時ドアオープンと同時に全員がダッシュ!stage最前列に並ぶことができました。 私は念願の正面よりやや右寄り。これでやっと先生のお顔が見られる!(これまでず っと左よりだったんです。左だと先生はジェニファーの方ばかり向いているので、い まいちお顔が見られないと思いませんか?)それにしても、ステージの低いことと、 近いことにビックリ!柵の前はフォトグラファーが座るために1.5メートルくらいの 空間があるだけです。ステージのモニターを入れても2メートルということは、本当 に距離3メートル!。 20時。前座のバンドはイエローのストラト(先生に因んでいたのか?)でブルースを やります`〜というアリバイという名の地元のバンド。泣きのギターで本人の顔も泣 きそう…熱演であります。しかし、それを見ながら…つくづく、先生のプレイスタイ ルって、演奏以上の大げさな表情が一切ないなぁ、そこがかっこいいんだし…などと 思っていた。ごめんアリバイのお兄さん方。

  アメリカ公演と同じように幕が上がったと同時に先生は既にメンバーと正面にいて、 あの血液が沸騰しそうなオープニングがはじまったのです!!!かっ、カッコよすぎ る〜〜〜っしかも距離3m〜〜〜っ。 これでネジが完全にぶっ飛びました、わたくし。 しかしその出で立ちを見て、ひぇぇぇぇっ、アメリカ2公演と寸分違わないお姿っ。 黒の胸側がたぶんウールで背中側がシルクサテンのベストに黒のタンクトップ、黒の ジーンズ。黒のワークシューズ。一度これと決めたらも〜そのまんまですか、やはし っ。ジェニファーはインナーにとても美しいいろんな色のミックスしたブラウスを着 ていました。

 プレスの人たちは最初の3曲だけ撮影許可を得ていたらしく、終わるとさっと引き上 げていきました。 そして演奏ですが、たぶん、私達のだれ一人、冷静に聞けていなかったと思います。 よく気絶しなかったよね。でも気絶してる場合じゃない!いち音も逃すまい!と最初 は結構必死だったんです。でも…
プレスの人たちが去った4曲めのStarCycle。出だしのところで、ガァーーン!!とジ ェニファーの創る(?or テープ)音に合わせて、先生が打たれた様なジェスチャー をしたのが楽しくて思わず笑うと、先生も振り返って笑ってる!そして、「さー行く よっ」ていう感じで、あのご機嫌なフレーズが…!!嬉しくて後はもう、ただ熱狂し ていたです。先生の創り出すあの美しいギターの音色、嵐のような素晴らしい、そし て二度とは聞けないディテールの連続、にただ、ただ、興奮し、酔っていました。そ して、その凄まじいプレイの連続なのに、本人が一番楽しんでいるように見えるんで す。しかも余裕もあって…。
そして、アメリカ公演のときよりもスピードがアップしているように感じました。さ らにバンドとしてのタッグが、がっちりと、そのくせどこからでもジャブやアッパー 、ハードパンチを繰り出せる感じ…これってすごいことなのでは…。先生のような何 が次に来るか判らない、先が読めないといわれるギタリストをサポートしていくのは 、よほどの技術と、そして気持ちが合っていないと、出来ないですよね。

8. 10月9日 SetListから…編

  個人的に9日特に印象に残った曲を上げてみますね。 Brush with The Bluesは凄まじかった。普通のコンサートだったら中盤のメインに使 うような曲なのに惜しげもなく始めから圧巻のプレイというのが先生です。ものすご い集中力に圧倒されました。Savoy、a Day in the Life… DECLANは本当に美しかったです。美しいメロディーに対する先生の繊細さと表現の豊 かさはいつも呼吸を忘れるほどです。きっと感受性が並外れているのでは…終盤ジェ ニファーのギターがミックスしていくところ絶品でした。THX138リズム隊カッコよし !(あの車をナンバープレートで呼んでるんでしょうか。曲のタイトルにしてしまう なんて、よっぽどお好きなんですね。)
The Pump 実はこの曲、前々からとても難しいのではと思っているのですが、ギター を弾かれる方、どうなんですか?。こんなスローでシンプルな構成の曲をここまで弾 き切ってしまえるなんて他にはいない、本当の力量を感じさせる曲だと思いました。 Rollin' andTumblin' はただもォ、カッコイイ!!二人の JBのギターバトルに血管 キレそうでした。CouseWeEnded AsLoversは中間のパッセージの温度が上がっていく かんじがもぉ、素晴らしかったです。RicePuddingからのメドレー、SlingShot、 Where Were You、 Big Block、は弾きまくってた〜!いったいどこからそんなとんでもないフレーズの 連続が出てくるのという、Jeff全開モード! おやあれま、ほとんど全部だわ。(笑 )
因にこの日はRicePuddingが出て来たものですから、前列日本人全員ものすごい雄 叫びをあげてしまいました。でも、やはし、曲の感想は私などではとても言葉が追い つかないです、ゴメンナサイ。 で、ステージでの先生やバンドの様子をまるきりミーハーまんまでレポートしたいと 思います。

9. 先生のご様子 タオル編

  初日は特に2曲めくらいからすごい発汗で、曲と曲の間で時々右手をびゅんびゅん振 ってるし…汗で滑るんだとおもう。使ったタオルはその辺に投げちゃう(捨てちゃう )から、また使うときは床に落ちてあるのを拾ってるし…あっ、そして、それで顔を 拭いちゃったぁぁ、顔の続きで頭もグリッと拭くと、髪がビョンッてなって、ううう 、か、かわいすぎるですっ 55才ですか、ホントにっ。

10. 先生のご様子 納得いかない 編

  あまりにも距離が近いので、先生の演奏中の表情などが判ってしまって、も〜ドキド キでした。9日バラード系の曲の大変繊細な個所のタッチが(Angelなどですが)やや 不安定になることがあったんです。(因に、アメリカ公演のどこからか、Angelはテ レキャスではなく、ストラトで、CouseWeEnded AsLoversをテレキャスで演奏してい ました。)不安定といったって、そもそもやっていることが難しいんだから、こんな 日もある、ということだと思うんです。 それまで大変美しい音色できてたのに、最初の小さい失敗を挽回しようしてますます 深みにはまりそうになり、「あぁ、もぉ!」みたいな感じの表情だったりするので、 ハラハラ、ドキドキ…こんな近くで見つめたままで申し訳ないんだけど、目が離れな い。ご、ごめんなさぁ〜い!!そして演奏が終わったあと観客の拍手に頷いて下さっ たりするんですが、この時は「いや、今のはちょっと…」と納得がいかない様子。
そして、最終日。KEVさんの報告ではアンコールのwhere were Youの演奏中、観客がス トロボを焚いてしまったとき、Jeffが一瞬怒ったということでした。その時私も、こ ぶしで弦を叩いたの見て、何事が起こったのかと本当にビックリしました。10日は繊 細な曲では怖いぐらいの集中でしたし、それまでパーフェクトだったんですから!。 where were Youでのパウダーの吹き上げ、あれストラトのツノ(みたいなところ)の 部分に仕込みしていたんですね。

11. スライドバーの攻防。行方は…の巻

  あのJeff-flagを渡したので顔を覚えて下さったのかどうかわかりませんが、Rollin' .の後で 「ホレ、投げるからねっ」とスライドバーを投げてくださったんです。コントロール バッチリ、真上に来た!ただ、身長と腕の長さが足りなかった。延ばした手の数10セ ンチ上の方ででかい手がキャッチ!あううう!!KEVさんならこの攻防を制していた かもしれないのに!とその時は思う。
帰国してあの因縁の手(とバー)の持ち主、今野さんがBBSに名乗りを上げて下さる という嬉しい事が…!インターネットってすごいですねぇ〜!イギリス在住の20年来 のJEFFのファンの方と判明!それからはもうすっかりイギリス本国ならではのJEFF先 生情報もカキコしてくださっているし、今野さん今度拝ませて下さいね\(^o^)/。 あ、悔しくなかったというとウソになりますよ、でも、先生がフラッグのお返しのよ うに投げてくれたことの方がもう嬉しかったですよぉ!や、やさしい〜〜(泣き)そ れでもぉ充分です。
最初、実を言うと最前列が日本人ばかりになったとき、ここは先生の本国なのにどん な気持ちだろう?と少し心配だったんです。でも先生は喜んで下さったと思います。 先生を慕っている日本のファンがこんなトコまで来るくらいなんだから、何があって も日本は外せないな、と思ってくれれば我々遠征隊の使命(誰も頼んでないが)は果 たせたと思ったですよ。

12. 9日/10日 スティーブのドラムソロは…の巻

  9日のSlingShotの終わりごろでスティーブが「僕もドラムソロいくよ、行かせて〜」 みたいな感じで始めたら、先生が「も〜おまえのドラムはうるさいんだってばッ!! 」みたいなジェスチャーで片方の耳をふさいだり、またスティーブが「な、なんだっ てぇ〜!!」と、ことさら大きい音をだそうとするのを、「うるさ〜い!!」と曲を おしまいにしちゃったんです。で、次の最終日では同じシーンでパイプが登場。先生 がそれをくわえジェニファーの前にひざまずき、ジェニファーが火をつけ先生が一服 する。ぷはぁ〜、ぷはぁ〜〜っと…(byまぁさん)。 「ふーんドラムソロするんだったらパイプふかして待ってることにするからね〜。」 ってかんじ… 場内大爆笑で大受けでした。そのあとでジェニファーもその同じパイプを(きゃぁ! )くわえて見せたり…。(by KEVさん)4人がShowを盛り上げ、ほんとうに楽しそう でした。 私も大笑いしていましたが、でも同時に内心、スティーブにしてみれば少しくらい情 けな〜っと感じてるかもしれないのに…、スティーブってなんていい人なんだろう! この人もJeffをささえてくれていたんだ。なんだかジーンとした一瞬でもあったんで す。先生はスティーブとアイコンタクトをとるときは、いつも楽しそうに目が笑って いた。
ジェニファーとはプラスアルファ、深〜い信頼。ランディ、ランディは…いつ も反対側にいるからJeffに見てもらえない、だから後ろからこっそり忍び寄ったり、 大っきすぎるスライドバーを渡したり(10日)、してたよね。でも君はベースソロを やらせてもらってるんだからいいじゃん!!

13. 先生のご様子10月10日 ケーブル編

  ギターを変える時ストラトにケーブルジャック(ていうんですか?)を繋ぎますよね 。9日に一回ぽろっと落としてギターテクニシャンが追っかけて繋いでたんです。 最終日またポロッ…思わず、「アッ、落ちたよっ(←日本語(爆)」そして、指差し たものですから、視線がばっちり、来てしまったっ!!。キラキラ輝く碧色の目の… あのチャーミングなWolf Smile(と勝手に名付けている)でなんだかめちゃめちゃ嬉 しそうに笑っている!。もう…××××××××!!!!で…どうしたらいいのやら 、何が何やら…信じられない光景でした。その辺のインディーズのバンドのコのステ ージと客との距離感のようなのに、目に前にいるのは憧れ続けたJEFF BECKその人な んですから。その人といっしょに笑ったりしている…これは本当のことだろうか…そ の時はマジ、ただうるうるしてしまったんですが、よく思い返すと、先生あれをわざ と落としたんじゃないかなぁ、と…。
落としたのを指摘されて振り返った嬉しそうな表情が…あまりに…子供がいたずらを しかけて見つかった、みたいな…だったし…。考えすぎですかね?それにケーブルで は東京でも最終日ワイヤレスのケーブルジャックを、ギターチェンジの時にギターテ クから渡されて、ん?どこに入れるんだっけ?とポケットやご自分の耳やら口に入れ るまねをして、近くの客を笑わせて楽しんでいたんでした。
ギターチェンジのケーブルは先生の気晴らしアイテム?そういえば9日も繋ぐ前にく るくる振り回してたなぁ。

14. 10月10日 演奏編

  この日は前日と比べると観客の数も、ノリも上回っていました。いかにもfinalとい う雰囲気になってきて、待っている間ににも温度上昇しているかんじ。この日も前日 同様最前列です。その上この日はステージとの距離がさらに縮まっていたので一番前 まで出てきてくれたりすると本当に距離1,5メートル!ひぇぇぇそれにモニターに足 をかけてのパフォーマンスまでっ!!これは距離1メートルだぁ!ぜぇぜぇ…しっ失 礼しました。
そしてパフォーマンスは、言葉ではもう表現出来ません。メンバーと楽しそうにいろ いろな仕掛けをする先生に大笑いもしていましたが、何度も泣きそうにもなっていま した。前日とはまるっきり違っていました。9日がだめだったのではなく、10日はも う次元が一つか二つくらい別の感じだったんです。全ての曲の密度と集中力はただ、 凄まじかったとしか言えません。しかも、4人全員が観客と一緒にこの最後のShowを 楽しんでいる!本当に最高のShowでした。そうそう、二度とやらないと言っていた Free way Jamをやって下さいました。9日に後ろの方で「Free Way, Jeff!!」と何度 も叫んでいた人がいたせいかな。先生の「二度と」の垣根はそんなに高くないのかも 。ですね。

 最終日先生はジェニファーのことを「プリンセス」って紹介しました。ジェニファー はちょっと照れ臭そう。ジェニファーって人間的にも本当に素晴らしい人だと思いま す。なんだか本当に後光が差してるようだったなぁ。今度の足掛け2年間にもわたる TOURをやり遂げられたのも、彼女の功績が大きかったと信じています。(そして先生 もずいぶんと大人になれらたようですし(^^))個人的にも鍵盤のパートとの組み合わ せよりギターが2つ並んでいる方が見栄えがするので好きでした。先生が一人でフロ ントでがんばってるんじゃなく、そばにジェニファーがいて、ステージで先生が常に ジェニファーとコンタクトをとっているのを観るのはなんだかほほ笑ましかった、で す。
それに、東京ではにサポートに徹してしたように見えたのですがバンドが変貌して来 て、磨かれ、ギターキャラクターも音色も違うツインギターの魅力が出ていたと思い ます。もう少し追及して欲しいなぁ。このままお終いにするには惜しい気がします。 といってもジェニファーも自分のプロジェクトがあるんですよね。でも、ジェニファ ーこれからも先生をどうぞよろしくお願いしますね。 そして先生は最後にいつもより多少長めにこのツアーの事を話され、自分たちの事を 「チーム」と言っていました。この言葉にバンドの結束と信頼の気持ちが現れていた と思います。そして、メンバーに感謝の言葉を…。

  こうしてLondon Finalは幕を閉じたのですが、身体のどかかに「印」を押されたかの ような、感じです。(わたしゃ先生ンちの羊かい!)二度と後戻りできないものを見 せられちゃったというか…友人から一生分のコンサート運を使い果たしたね、との言 葉をもらいました。これ以上のLIVEを観ようというのは確かに難しいかも。でも振り 返ってみて、ロンドンに限らず、どのステージアクトも本当に素晴らしかったです。 それは、おバカなことを言うようですがJEFF BECK だから…。彼だけが持つタレント 、才能、ルックス、天真爛漫さと音楽への愛と飽くなき追及、リスクを恐れないチャ レンジ、反面うまくいかないと心底がっくりくるみたいですけど…そんなところも含 めてJEFF BECKだから。
ポールロジャースが粋なことを言ってくれていますよね。 「ギタリストは2種類に分類される それはJEFF BECKとそれ以外だ」

 WHO ELSE!が出たころ、先生が1年も前から教会の石段でロードを始めたと後で聞いた 時、どうしてもっと早く情報が来なかったんだ、と悔しかったです。いいときも、う まくいかないときも、実験途上もすべて含めて先生のプレイには魅了され続けるでし ょう、これからも!この次お目にかかれるのはいつか解らないけれど、どこへでも行 きますよ!あの音を聞くためだったら!いちファンとしては先生が楽しそうにギター を弾いている姿を見るだけで、嬉しいんですから。 でも、今はゆっくりお休みください。あっ、しかしこの次はなるべく早くして下さい ね。10年は勘弁!
ともあれ、先生、ありがとう、ムチャ!ありがとう(笑) 最後にいろんな局面でBBSで応援して下さった方々にお礼を言わせて下さい。 なんとか行って帰って来れたのもここで知りあえた方々のおかげだと思っています。 ありがとうございました!。 そして読んで下さった方、ツァーレポートなどとはとても言えない自分勝手な暴走し た文章…うう、に今更恥じても手遅れなんですが…ここまでおつきあい下さって有難 うございました。
JeffBeckerTさま、Photoともども、この場を提供して下さって本当に有難うございま した。これでなんとか今年の大イベントを終了できた気分です。ふぅ。

感謝 by atsu.


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